ハレ街メディアでは、未来のハレを創り出す挑戦者たちの物語を発信しています。今回は、中小企業を中心に、事業再生、成長企業のビジネスモデルや組織構築、後継者育成からウェルスマネジメントまで幅広くサポートする経営コンサルティング会社のPMFアソシエイツ(東京・中央)の代表取締役、鎌田宣俊氏に、創業の経緯や経営において大事にしていることなどについて話を伺いました
(聞き手:ハレノヒハレ 代表取締役 稲葉晴一 編集:ライフメディア 尾越まり恵)

創業2年目、社員を雇用する覚悟を決めた
まずは、PMFアソシエイツの事業内容について教えてください。
鎌田宣俊社長(以下、鎌田氏):中小企業を対象にした経営コンサルティング事業を手掛けています。社外CXO(特定の業務を執行する最高責任者)サービスがメインで、社長の右腕のような立ち位置を目指しています。助言だけでなく、実務面のカバー、そして精神面でも経営者の拠り所として伴走支援しています。
長期にお付き合いするお客様はすべて総合的な支援を行っていますが、きっかけとしては、個別サービスから始まることが多いです。例を挙げると、業績が悪化している企業の事業再生、事業承継/後継者の育成、人事制度構築、財務アドバイザリー、ビジネスモデルの構築や補助金サポートなどがあります。
お客様は売り上げ3億~100億円規模の中小企業で、業種は多岐にわたります。地方の企業が多く、北は新潟県から西は広島県まで、全国にお客様がいます。オンラインで打ち合わせをすることもありますが、基本的には直接お会いして顔を突き合わせて会話をすることを大事にしています。
2022年にPMFアソシエイツを創業されました。きっかけは何だったのでしょうか。
鎌田氏:私のキャリアについてお話すると、大学卒業後に新卒で大手企業に入社し、営業を担当しました。ただ、社会人になった時から、いずれは起業したいと考えていました。大手企業の場合、「経営に携われるようになるまでに20年はかかるな」と思って、コンサルティングファームに転職しました。コンサルタントの立場として経営に関与することが面白くなり、続けていくうちに昇進し、ディレクターになりました。気が付けば20年近く勤めていました。結果として自身で経営ができるようになるまで20年かかりました。2022年にPMFアソシエイツを起業。最初は1人での起業でしたが、まったく迷いはなかったですね。

コンサルティング会社に所属して働くのと、ご自身で起業するのとではやはり見える世界が異なると思います。ぶつかった壁や、創業から3年間での転機はありますか。
鎌田氏:起業した当時は、もちろん実績も知名度もありません。コンサルティング業はブランドが大事なので、まずは会社の所在地としてコンサルティング会社の多いエリアを選びました。幸いなことに業界に長く属していたので、金融機関との提携や有名企業との最初の取引実績ができ、トラックレコードをPRすることができました。個人では業務実績や中小企業診断士の資格、情報経営イノベーション専門職大学の客員教授であることをアピールし、顧客からの信頼を得られるように工夫しました。
大きな転機は、起業から3年目ですね。しばらく1人社長で業務委託のメンバーにお願いしつつ切り盛りしていたのですが、人を採用し拡大していこうと舵を切りました。たまたま縁があって「一緒に働きたい」と言ってくれるメンバーと出会い、それが後押しとなって人を雇用する覚悟を決めました。自分1人が生活できれば良かった状態から、社員の人生を背負うわけですから、やはり覚悟が必要でしたね。
目先の利益ではなく「利他」の精神を大切に
鎌田社長にとって、これまでで一番ハレの日はいつでしょうか?
鎌田氏:7年前の5月、子どもが生まれた日です。早産だったのですが、無事に生まれ、病院の外に出たときに見上げた空が、ものすごく綺麗な青空でした。その空の色は、今でもハッキリと覚えています。
ハレノヒハレと出会って変わったことは?
鎌田氏:これまで長くコンサルティング事業に携わってきた中で、経営者の資産形成に関しては深く勉強したことがなく、あまりいい提案ができていませんでした。その中で、ハレノヒハレさんと出合う機会があり、まずは商品がすごく魅力的だと感じました。実際、当社のお客様にも紹介しています。ハレノヒハレさんと出会ったことを機に個人の資産形成の勉強も始め、お客様にも提案できるようになりました。そのきっかけをくださった会社です。
社長の稲葉さんは、いつも明るいんですよね。実は苦労人なんですが、それをまったく表に出さないところが男として素敵だなと思っていつも見ています。
未来のハレを実現するために、意識していることはありますか?
鎌田氏:「利他貢献」の精神です。自社や個人の目先の利益にとらわれると、結果として巡りが悪くなっていきます。反対に、自分の利益にはならなくても、誰かの役に立つことを考え、行動すると、結果的に自分にも戻ってくると思います。そのため、社員でもお客様でも、人と接するときは「利他」の精神を意識しています。当社のお客様は長いお付き合いになることが多いのですが、少しでもお客様の役に立つように、経営者の心の拠りどころとなれるようにと考えて伴走しています。
私がこのような考え方に至ったのは、前職のコンサルティング会社の理念やこれまで関わってきた経営者の影響が大きいですね。Giver(ギバー)とTaker(テイカー)といった表現が近いですが、尊敬する方でテイカーの人は一人もいません。起業してからなおのこと強く感じるようになりました。
コンサルタントと社長の両方を経験できる会社になる
今、力を入れているのはどんなことでしょうか?
鎌田氏:今、弊社には2軸の事業があります。これまでお話したコンサルティング事業では、ソリューション機能の強化と採用による組織拡大に力を入れています。
もう1軸としては、メインのコンサルティング事業に加えて、事業会社への投資も始めました。すでに、1社出資している会社がありこちらの会社の成長にも注力しています。自動車のプロテクションフィルムを安価で手掛けるノウハウを持っている会社でマーケットチェンジャーになれる可能性があると思っています。
今後の展望について、教えてください。
鎌田氏:今後はコンサルティング事業と事業会社への投資事業の両輪で展開していきます。コンサルティング事業では、社名の意味に込められている、「Permanent Management Foundation(永続的な経営基盤)」と、「Product Market Fit(製品やサービスと市場の一致)」を追求していきサービスの付加価値を高め続けていきます。また、メンバーを増やして、世の中への貢献度合いを増やしていきたいと考えています。
一方、事業会社への投資に関しては、2社目、3社目と継続した投資を続け、新たなマーケットを創出するような企業を生み出すことを目標としています。これに付随しプロ経営者の輩出も目指します。当社が出資する事業会社の数だけ、社長が必要になります。コンサルティング事業の専門知識を学んだメンバーが社長業を実践し、反対に社長経験者がコンサルティングを経験できるといった双方向の流れを作りたいと考えています。
今、日本では経営人材が不足していますので、このような社会課題への貢献を目指します。また、社長業とコンサルティング業の両方を経験できる環境で働ける会社はほとんどないと思うので、それが会社の魅力につながるといいですね。魅力ある会社になれば、人が集まります。志ある仲間を増やし、売り上げ100億円のグループ事業体を目指します。
中小企業の経営者にメッセージをお願いします。
鎌田氏:まだまだ会社経営を自分1人で背負わなければならないと思い込んでいる中小企業の社長が多いように感じています。いろいろな業務を社外に委託するように、経営も専門家の力を借りていいのです。コンサルタント以外で自社の悩みを相談できる存在は少ないと思います。経営課題を抱えている経営者の方は、1人で悩まずに外部の専門家を頼っていただきたいと思います。
取材を終えて 撮影小話
稲葉:鎌田さんとの対話を通じて、経営に真摯に向き合い、人を想う姿勢に深く感銘を受けました。
鎌田:起業から3年、経営者としてもコンサルタントとしても多くの気づきを得てきました。「利他の精神」は言葉以上に難しい実践ですが、信じて行動することで仲間や顧客に恵まれたことに感謝しています。今後も経営人材の育成や投資事業を通じて、より多くの企業の成長を支えていきたいと考えています。
稲葉:利他の精神を持つ経営者の存在が、社会を明るくする。ハレ街メディアでは、そんな志ある挑戦者を今後も発信していきたいと思います。鎌田さん、ありがとうございました!
